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ロングインタビュー

2023年度新加入選手インタビュー Part.2 福西 隼杜選手

 取材日:2023年8月2日

2023年度新加入選手インタビュー Part.2 福西 隼杜選手

3歳からラグビーをはじめ、小学6年までバックスでプレーしていたという福西選手。その後、フォワードに転向し、高校、U17、U20と各世代の代表に選出。進んだ京都産業大学では、4年の時に共同主将としてチームを牽引し、関西リーグ連覇、大学選手権2年連続で準決勝進出に貢献しました。子供の頃から「コベルコラグビーフェスティバル」に参加するなど、福西選手にとってコベルコ神戸スティーラーズは身近な存在。憧れのチームでレギュラー獲得を目指し、1月から奮闘する福西選手にこれからの目標などを伺いました。

「開幕戦からアーディ・サべア選手と一緒に試合に出て、
優勝に貢献することが今シーズンの目標です」

PR、FL

福西 隼杜

FUKUNISHI HAYATO

PROFILE
  • 2000年5月17日生まれ(23歳)、兵庫県宝塚市出身
  • いずみ幼稚園→伊丹ラグビースクール→報徳学園高校→京都産業大学
  • ポジション/PR、FL
  • 身長・体重/178cm・100kg
  • 代表歴/高校、U17、U20日本代表

アーリーエントリー登録期間は悔しさも

チームには大学選手権後すぐに合流したんですよね。準決勝早稲田大戦は、33-34と悔しい試合になりました。

「準々決勝でずっと敗れていた慶應大に勝って、2年連続で準決勝に進むことができたのですが、優勝を目指していたので、すごく悔しかったです。それに、早稲田戦で膝を怪我してしまって…。チームにアーリーエントリーとして加わりましたが、合流後すぐに手術をし、復帰したのが4月上旬になりました」

大学時代、一緒に共同主将を務めた家村 健太選手(静岡ブルーレヴズ)はアーリーエントリーとして神戸スティーラーズとの一戦に出場しました。どういう心境で観戦されていたのでしょうか。

「応援していましたが、複雑な心境でした。僕は当時リハビリの真っ最中で、練習にも参加できない。練習に参加して自分の実力で試合に出られないのなら、もっと頑張ろうと思えたのですが、スタートラインにも立てていない状況で、ただただもどかしくて。そんな中で家村が試合に出場し、嬉しい反面、素直に喜べないところもありました」

4月から練習に参加し、昨シーズン最後の強化試合にも出場しました。短い時間ではありましたが、通用すると感じたところは。

「リーグワンは学生と違って、どの選手も体が大きいです。そこで低く入るタックルは通用すると思いましたし、この部分で負けないようにしないといけないと思いました」

プロップに挑戦するとのことでしたが、その後、どうでしょうか。

「大学時代からスクラム練習もしていたのですが、プロップは専門職ですし、スキルを修得するのに時間がかかります。いち早く試合に出たいという思いがあり、このままフランカーで勝負したいという気持ちもあって。ただ、試合に出られるのなら、どのポジションでも構わないので、プロップの練習も続けていこうと思います」

プロップは難しいですか。

「めちゃくちゃ難しいですね。スクラムの時に、こんなにもフロントローが頑張ってくれているんだから、このボールをいかさないといけないという気持ちがプロップに挑戦する前よりも強くなりました。それと同時に、フロントローに対してこれまで以上にリスペクトする感情が芽生えて。今後、プロップでプレーするしないにかかわらず、とても良い経験ができていると思います」

高校時代に激しさ、ひたむきさを身に付けた

ところで、福西選手のこれまでの競技歴について伺いたいのですが、ラグビーは何歳からはじめたのですか。また、そのきっかけというのは。

「父が高校時代にラグビーをしていたこともあり、3歳の時に伊丹ラグビースクールに連れていってもらったことがきっかけです。通っていたいずみ幼稚園でもラグビーをしていました」

いずみ幼稚園、伊丹ラグビースクール、報徳学園高校と、前田 剛選手と同じ競技歴なんですよね。

「中学校も剛さんと同じ学校に通っていたんです。中学にはラグビー部がなかったので、バスケットボール部に入部しました。けど、バスケ部には、朝練しか参加していなくて、放課後は、伊丹ラグビースクールの仲間とタッチフット(コンタクトプレーのないラグビー)をしていました」

中学時代の最高成績は。

「太陽生命カップ(全国中学生ラグビーフットボール大会)に優勝したことがあります」

子供の頃からフォワードでプレーしていたのでしょうか。

「ラグビーをはじめた頃は足が速かったので、ウイングでプレーしていました。中学生になってから伊丹ラグビースクールの先生からアドバイスされて、フォワードでプレーするようになりました」

高校は報徳学園に進みました。高校はどういう3年間になりましたか。

「父親が報徳学園出身で、自分も子供の頃から行きたいと思っていました。高校時代は、ラグビーをする上で僕の信条である“激しさ”、“ひたむきさ”を身に付けることができました。優勝を目指して、厳しい練習に取り組み、目標は叶えることはできなかったですが、高校の3年間は自分にとって原点だと思います」

共同主将を経験し、人間的にも成長できた

京都産業大学に進んだ理由を教えてください。また、関東の大学へ行こうとは思わなかったのでしょうか。

「京都産業大学は練習が厳しいことで知られています。そういう環境に身を置くことで、より強く、よりレベルアップできるんじゃないかと考えました。関東の大学からも声をかけてもらっていて、友達が進学しましたが、僕は彼らと対戦して倒したいと思ったんです。関西のチームがなかなか関東に勝てない中で、勝てばカッコいいと思ったことも京都産業大学に進んだ理由の1つです」

大学時代は1年から出場していたんですよね。

「レギュラーではないですが、時々試合に出させてもらっていました。2年になって、監督が伊藤 鐘史さんになり、がむしゃらにやっているだけではダメだと教えていただきました。2年の時は試合に出る機会がなかったですが、スキルを身に付けたり、頭を使ってラグビーをするなど、いろいろと学ぶことができました。それもあり、3年からは試合に出ることができました」

大学4年の時は共同主将をしていましたが、どうやってチームを牽引していたのでしょうか。

「高校時代もキャプテンをしていたのですが、その時は引っ張ったというよりも、周りに助けられてばかりでキャプテンらしいことは何もできずに終わりました。その後、U20日本代表に選ばれた時、福井 翔太さん(埼玉パナソニックワイルドナイツ)がキャプテンされていたのですが、福井さんは周りへの気遣いや声かけなどが素晴らしくて、こんなキャプテンになりたいと思ったんです。だから、大学で共同主将をした時は、視野を広く持つことや周りとコミュニケーションを取ることを意識していましたし、メンバー外の選手も応援してくれるようなチームにしていきたいと思い、常に彼らに感謝の気持ちを持つように心がけました」

大学時代は、3年、4年の時に関西リーグ優勝と、大学選手権2年連続で準決勝に進出しました。そして、大学選手権では関東の大学も破りましたね。得るものが多い4年間になったのではないでしょうか。

「人間的にも、選手としても、成長させてもらいました。3年から指導を受けた廣瀬(佳司)監督からはラグビーの知識を、元木(由記雄)コーチからはラグビーに大事な気持ちの部分を学ぶことができました」

Steel Matesのためにも勝ちたい!

そして、コベルコ神戸スティーラーズへ。福西選手にとって神戸スティーラーズとはどのようなチームなのでしょうか。

「子供の頃から『コベルコラグビーフェスティバル』に参加していましたし、高校時代も灘浜グラウンドで練習する機会があって、すごく身近なチームで憧れでした。このチームで自分をさらに成長させていきたいと思い入団しました」

チームに入って感じたことは。

「まずファンの多さに驚きました。神戸総合運動公園ユニバー記念競技場で行われたホストゲームの場外イベントでトークショーに出させてもらったのですが、イベント終了後、たくさんの方々からサインを求められ、写真を一緒に撮ったりしました。『応援しているよ』と声をかけていただいて嬉しかったですし、試合に出て活躍しているところを見てほしいと思うようになりました。いつも応援してくれるSteel Matesのためにも勝ちたいと思いましたし、自分のためだけでなく、Steel Matesのためにも頑張ろうと新たなモチベーションになっています」

フランカーにしろ、プロップにしろ、競争は激しいです。これまでプレーしてきたフランカーでのご自身の持ち味と今後身に付けたいところを教えてください。

「持ち味はディフェンスです。今後、身に付けたいところはたくさんあります。大学時代よりもパワーアップ、スピードアップしたいですし、神戸ラグビーをするにはハンドリングスキルが必要ですので、そこも身に付けていかないといけません。強力なライバルに勝つには、ここでは絶対に負けないという突出した部分がないといけないと思うので、得意であるディフェンスもさらにレベルアップさせて、激しさ、ひさたむきさを前面に出して勝負していきたいと思います」

激しさがウリのバックローというと前田(剛)選手を思い浮かべるのですが。

「スタイルは近いと思いますね。剛さんに負けないように頑張ります」

いつか日本代表でプレーできるように

日本代表で活躍中の李 承信選手とは同い年ですよね。

「中学の時に兵庫選抜で一緒にプレーしていましたし、小学生の時からスクールで対戦していて知っていました。入団してからはよくご飯に行っています」

李選手の活躍は刺激になっているのではないですか。

「めちゃくちゃ刺激を受けています!バックローというポジションは、外国人選手が多いですし、僕はサイズもないですが、やるからには日本代表でプレーしたいと思っています。まだまだ身に付けないといけないことは多いですが、代表入りを目標に頑張ります!」

ズバリ今シーズンの目標は。

チームとしては日本一です。個人としては、今シーズン入団するアーディ・サベア選手と一緒に出場することが目標です。開幕戦からサベア選手と出るということを個人的な目標にトレーニングを積んで成長していきたいと思います」

試合に出たら、Steel Matesの皆様にどんなところを見てもらいたいですか。

「激しさを前面に出したタックルです。タックル成功率100パーセントを目指して頑張りますので、ぜひタックルに注目してください」

では最後にSteel Matesの皆様にメッセージをお願いします。

「チームでは『ふっくん』と呼ばれています!チームを勢いづけるようなプレーをして優勝に貢献したいと思います。Steel Matesに勝利を届けることができるよう、努力を惜しまず、ひたむきに頑張りますので、応援していただきますよう、よろしくお願いします!」

グラウンドでの激しいプレーとは一転、福西選手の趣味は、「カフェ巡り」で、大学時代は、北山や河原町にあるカフェに1人で行ったり、友達とお喋りを楽しんだりしていたそう。目下、神戸でのんびりできるカフェを探しているという福西選手。Steel Matesの皆様、神戸でのカフェ情報があれば、福西選手に教えてあげてくださいね。真面目な好青年といった雰囲気の福西選手にぜひご注目ください!

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