【プレシーズンマッチレポート】11月11日(土)VS横浜キヤノンイーグルス
再三のチャンスを活かせず、プレシーズンマッチ初の敗戦を喫す
今シーズンのプレシーズンマッチでは初となる敵地での一戦。相手は昨シーズン、チーム史上過去最高の3位となった横浜キヤノンイーグルスだ。
キヤノンスポーツパークで行われた試合は、横浜Eのキックオフでスタート。開始早々相手の反則があり、横浜E陣内でゲームを進める神戸スティーラーズ。敵陣深くに入りチャンスを得るも、ディフェンスに阻まれ仕留め切れない中で、先に得点したのは、横浜E。9分、横浜Eゴール前でのスクラムから展開されて、相手WTBに突破を許すと、キックを交えた攻撃で一気にゴール前へ。そこからFWに繋がれてトライを献上。ゴールキックも決まり、0-7に。14分にもグラウンドを広く使ったアタックからトライを奪われ、0-12とリードを広げられてしまう。反撃を開始したいところだが、この日はゴールラインが遠い。敵陣でアタックをし続けるも、決め手がないまま時間が過ぎる。30分、反則の繰り返しで相手にイエローカードが提示され、数的優位になると、横浜E 陣22mライン付近でのマイボールラインアウトから攻撃を展開。しかし、ここもハンドリングエラーが出て、攻守が入れ替わる。そのまま0-12で折り返した。
SH徳田、SO李のHB団を筆頭に、大幅にメンバーを代えて臨んだ後半。李の蹴ったキックオフが直接タッチを割ってしまい、横浜Eボールのセンタースクラムに。その後、相手の勢いあるアタックに防戦一方になると、7分、ゴール前での反則から相手に速攻を仕掛けられ、失トライ。16分にも、ゴール前でのラインアウトからモールを押し込まれてトライを許してしまう。24点を追いかける展開で、後半から出場のLOララトゥブアの突破からパスを繋いで、チャンスを作る。立て続けに反則を得て、24分、横浜E陣ゴール前でのマイボールラインアウト。モールを押し込む中で相手に反則があり、ペナルティトライとなり、7-24に。横浜EのFWプレーヤーにシンビン判定が下され、再び数的優位になるも、27分、PKがタッチを割らず連続攻撃を仕掛けられトライを献上。ゴールキックも決まり、7-31とされる。再び24点差になる中、神戸Sは、30分、横浜E陣10mライン付近で反則を得て速攻を仕掛け、パスを繋いで、最後は高校を卒業しチームに合流したばかりのCTBイオアサが30m走り切りトライをマークする。ファーストタッチでトライを決めるチーム最年少BKの鮮烈デビューに、ベンチは大いに盛り上がったが、神戸Sの反撃はここまで。36分にもトライを奪われ、12-38でノーサイドとなった。
再三の好機を活かせず、逆に6トライを奪われてのプレシーズンマッチ初黒星となり、デイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)は
「お互いに多くのチャンスを作りましたが、神戸Sは活かすことができず、相手はしっかり活かした。その差が出た試合になりました。仕留め切れることができなかった要因の1つは、ブレイクダウンでクリーンアウトできず、早いテンポでアタックできなかったところです。また、ディフェンスの面でも課題が多く出ました。開幕まで残り1ヶ月という段階で、昨シーズンのトップ4に入ったチームと対戦し、課題を認識して、自分たちの現在地を知ることができたことは良かった」と振り返った。
ゲームキャプテンを務めた山下(楽)も
「22mライン内に入ってからのスコア率の差が、はっきりと出た試合になりました。プレシーズンなので、メンバーが固定されていない中でいろいろなことを試しながらゲームをしていますが、ただもう少し完成度を高めないといけないと思います。横浜Eからのプレッシャーもありましたが、自分たちで修正できる内容なので、しっかり改善していきます」と前を向いた。
この試合では、ラグビーワールドカップ2023フランス大会に出場し、11月2日からチームに合流したFLサウマキ、SO李が出場。
サウマキは6シーズン所属した古巣との一戦に「横浜Eは、昨シーズンよりもレベルが上がっているように感じました。神戸Sは、自分たちのミスでやられてしまって…。ただ、今日は負けてしまいましたが、チーム自体は良いコーチングをされて、皆、スキルを使って自信を持ってアタックをしています。精度を上げていけば、もっと良くなると思います」と話す。自身は日本代表からチームに戻ってきて、「神戸のアタックは、テンポの速さが日本代表と似ていると思います。ワールドカップで良い経験ができて、ボールキャリーやディフェンス面はさらに自信がつきました」と成長を感じている。また、李は「ワールドカップではゲームタイムが4分しかありませんでした。早く試合をして、ゲーム感覚を取り戻したかったという思いがあって。今日は、パフォーマンス自体は良くなかったですが、試合を経験できたことが収穫になりました」と語っていた。
レニーHCは
「今日は日本代表の2人が出場しました。今月末には、オールブラックスの2人(レタリック、サベア)が合流します。選手層を厚くしていき、開幕に向かっていきたい」と話し、チームにはまだまだ“伸びしろ”があると強調した。
チームは夏から厳しいトレーニングを積むが、攻守でレベルアップさせないといけない部分が多いことがわかった。プレシーズンマッチで得られた課題は、成長への大きな糧につながる。次の対戦相手は、「NTTリーグワン2022-23」では21-38で敗れたトヨタヴェルブリッツだ。この一戦も自分たちの力を試す絶好の機会になる。
〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・プレシーズンマッチ〜
11/18(土)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs トヨタヴェルブリッツ
@トヨタスポーツセンター