【プレシーズンマッチレポート】 11月18日(土) プレシーズンマッチVSトヨタヴェルブリッツ
後半セットプレーが安定せず苦しい展開も、5トライを奪い勝利
トヨタスポーツセンターで行われたトヨタヴェルブリッツとのプレシーズンマッチ。CTBラウマペ、日本代表のPR具、FB山中、リザーブにはチームに合流したばかりのSOガットランドが初めてメンバーに入った。
SO李のキックオフではじまった試合は、開始早々、LOララトゥブアがボールに絡んで、反則を奪うと、いきなりアクセル全開でアタックを敢行。6分、トヨタV陣内10mライン付近のマイボールラインアウトから縦へ力強く攻撃すると、ラックからSH中嶋が素早くボールを出し、CTBラウマペへ。そこへ内から走り込んできたFB山中がパスを受け、ゴールラインを駆け抜けて先制トライをマークする。その直後、トヨタVのキックオフをキャッチし、モールを作るとぐいぐいと押し込んで前進。たまらずトヨタVが反則を犯し、敵陣22mライン付近でのラインアウトのチャンス。FWが粘り強く攻撃し、SH中嶋からパスを受けたSO李がラインブレイクし、サポートしていたLOララトゥブアがインゴールへ。さらに、12分には、トヨタVのキックオフからFW・BK一体となって攻撃を継続し、CTB濱野が左サイドラインを抜けて、最後はWTB山下(楽)がパスを受け、そのまま走り切りトライ。SO李のゴールキックも決まり、21-0に。その後も敵陣で攻撃を進める神戸S。しかし、22分、自陣ゴール前での反則から速攻を仕掛けられ、中央にトライを献上。33分にはハーフライン付近でのターンオーバーからラインブレイクを許し、失トライ。ゴールキックも決まり、21-14と7点差に迫られる中で、トヨタV陣10mライン付近でのマイボールスクラムで反則を獲得。22mライン付近ラインアウトから鮮やかなサインプレーが決まり、SH中嶋からパスを行けたHO松岡がトライをマークする。前半だけで4トライを奪い、28−14で折り返した。
フロントローの3人をはじめ、大幅にメンバーを代えて臨んだ後半は、セットプレーが安定せず、守りの時間が長くなる。自陣でのプレーが続く中で、相手のミスにも助けられ、スコアボードは動かないまま時間が経過する。24分には、ゴールライン寸前まで迫られるも、コストリーから代わった21歳の若きバックロー、NO8ポトヒェッターがボールに絡んでピンチを救う。その後も自陣深くまで前進されるも、懸命のディフェンスで凌ぎ切る。防御から流れを掴みたいところだったが、32分、自陣22mライン付近でボールを奪われると連続攻撃を仕掛けられ、最後はSHがラックの上を乗り越えてインゴールへ。28-19と9点差に。嫌な空気を払拭したのは、またしてもNO8ポトヒェッター。36分、自陣10mライン付近で相手ボールを奪うと、パスを繋いで、最後はCTBリトルが左コーナーへと飛び込む。難しい角度のゴールキックを後半から出場のSOガットランドが沈め、35-19と再びリードを広げる。その直後、トヨタVのキックオフからの攻撃で、自陣ゴール前でパスミスがあり、転がったボールをインゴールで抑えられて、35-24とされるも、そのままノーサイド。後半は苦しい展開になったが、逃げ切り勝利を掴んだ。
ゲームキャプテンを務めた山下(楽)は
「前半の最初にトライを3本立て続けに取れたことは良かったのですが、その後、チャンスの場面でスコアし切れず、我慢の時間になってしまって…。ただ、80分間通して見たら、先週の横浜E戦で出た課題であるトライを取り切るという面では改善されたところもあります」と振り返った。試合を重ねるごとに、やろうとしているアタックが形になってきて手応えを感じていると言うが、現状に満足はしていない。
「もうすぐNTTリーグワン2023-24が開幕します。星を取りこぼさないためにも、一貫性を持って、精度高くアタックしないといけません。プレッシャーがかかる中で、どれだけ精度高くプレーできるのか。今日もスコアして終えることができているアタックに関しては、15人が同じ絵を見ることができて、連携しながら、空いたスペースにボールを運ぶことができています。それができていない時に、ターンオーバーされたり、ミスや反則で終わったりしています。ラインブレイクした後のサポートなど詳細をもっと詰めて、練習から精度高くやっていき、さらに良いアタックができるようにしていきたい」
山下(楽)はリーグワンの戦いを見据えて、そう決意した。
この試合で神戸デビューを果たしたガットランドや日本代表の具、山中について、レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下、HC)は「良いプレーをしてくれた」と評価する。特にガットランドについては「後半はアタックする時間が少なく、ディフェンスの役割の方が多くなってしまったが、そのような中でもゴールキックを含めて持ち味を発揮してくれた」とコメント。
キックが強みだと話すガットランドは、「神戸スティーラーズの一員になって、初めて蹴るゴールキックが、難しい角度のものになって、チームメイトには『ありがとう』と声をかけましたね」と冗談っぽく笑う。試合に関しては「後半はセットプレーに課題が出ました。セットプレーで安定して良いボールが出すことができれば、良いアタックができるようになると思います。私自身は、チームが目指すラグビーについて理解はできていますので、あとは練習の回数を重ねていき、開幕を迎えられるようにしていきます」と語った。
前半40分出場した具は、
「今日はスクラムに関しては反則を取ることもできたので、良かったのですが、フィールドプレーは、チームに合流し初めての試合ということでシステムに慣れておらず、迷うところもありました。もっとチームにフィットして、フィールドプレーでも良いプレーができるようにしていきたい」と意気込んだ。
先制トライをマークした山中は「準備したプレーから生まれたトライです。今日は、新しい体制になって初めての試合でしたが、個人的には良い感じでプレーできましたね」と好感触を得た様子。チームについては「前半はトライも取れて良いところがたくさんありましたが、後半はディフェンスの時間が長くなってしまって。全体的にまだまだ良くなると思います」とまとめた。
12月9日のNTTリーグワン2023-24開幕までにプレシーズンマッチは残すところ1試合となった。
レニーHCは
「まだ課題はありますが、最後のプレシーズンマッチでは、8月から積み上げてきたものをしっかり出せるようにしたい。また、これまでのプレシーズンマッチではいろいろな選手を試していますが、開幕に向けて、どのコンビネーションがベストなのか、見極めていきたい」と話した。
自信を持って開幕を迎えられるように。また、選手にとっては、第1節のメンバー入りをかけたアピールの場になる。リーグ開幕前の試金石、80分間クオリティの高いプレーを継続し、気持ち良い勝利を見せてほしい。
〜次回のコベルコ神戸スティーラーズ・プレシーズンマッチ〜
11/25(土)12:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs 花園近鉄ライナーズ
@東大阪市花園ラグビー場
※有料試合 チケットは、チケットぴあで販売中
〜コベルコ神戸スティーラーズ・NTTリーグワン2023-24開幕戦〜
12/9(土)12:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs 三重ホンダヒート
@ノエビアスタジアム神戸
※チケットはこちら!
※先着10,000名様にシーズン記念Tシャツプレゼント!