【試合レポート】 12月10日(日)トレーニングマッチVS三重ホンダヒート
次節からの戦いに向けてアピールの場で、個々が持ち味を発揮し勝利を掴む
NTTリーグワン2023-24開幕戦で大勝した翌日、灘浜グラウンドで三重ホンダヒート(三重H)とトレーニングマッチを行った。レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下HC)は、「プレシーズンを通して良いパフォーマンスをしていましたが、開幕戦のメンバーに選ばれなかった選手もいます。良いパフォーマンスをしてアピールをしてほしい」と語っていた。
12月とは思えぬ陽気の中、三重Hのキックオフで試合は開始された。序盤から積極的に攻撃を仕掛ける神戸Sだが、トライ直前にスローフォーワードがあったり、オフロードパスが繋がらず相手にボールを渡したり、なかなかスコアすることができない。逆に、15分、神戸S陣22mライン付近での三重Hボールスクラムからブラインドサイドを突かれ、先制のトライを献上。ゴールキックも決まり、0-7とされる。その後も「皆が強みを見せたいという気持ちを出し過ぎてしまって、やろうとしていることとは違うプレーが出てしまって相手にボールを渡してしまう場面が多かった」とFB井関が試合後に反省したように、攻撃が繋がらず、リズムに乗ることができない。中盤でのプレーが続く中、25分、待望のトライが生まれる。三重H陣22mライン付近でのマイボールラインアウトから連続攻撃で前進し、ゴール前中央のラックからSH中嶋がパスアウト。CTB池永へと繋ぐと力強い走りでインゴールへ。SO日下のゴールキックも決まり、ゲームは振り出しに戻った。しかし、自陣10m付近でターンオーバーから切り返して攻撃へと転じたところで、SO日下の放ったパスがインターセプトされ、そのまま走り切られて失トライ(29分)。ゴールキックも決まり、7-14と再びリードを許した。ここから神戸Sが本来の力を発揮する。32分、キックカウンターから攻撃を展開し、最後はFB井関からパスを受けたCTBマヒナがインゴールへと飛び込みトライ。ゴールキックも決まり、14-14の同点にする。直後にゴール前まで攻め込まれる場面があるも、NO8ポトヒエッターが激しくボールに絡んで反則を誘う。前半終了間際には、神戸陣10mライン付近マイボールラインアウトから粘り強く攻撃を仕掛けて、最後は順目に展開し、WTB中がトライ。ゴールキックも決まり、21-14で折り返した。
メンバーを大幅に替えて臨んだ後半、前半終盤の勢いのままに、神戸Sが序盤から三重H陣で攻撃を展開する。8分、ゴール前で反則を得ると、中嶋から替わったSH小畑の速攻から、パスを受けたCTBイオアサがインゴールへ。ゴールキックも成功し、28-14とさらにリードを広げる。17分に自陣ゴール前での三重HボールラインアウトからFW攻撃を仕掛けられトライを献上するも、直後の神戸Sのキックオフから相手の攻撃をディフェンスで寸断し、ボールを奪うと、素早く展開し、SH小畑がそのままインゴールを駆け抜け、33-19。さらに26分、キックカウンターからCTB池永、WTB杉本、FB井関、WTBタプオシと繋ぎ、サポートしていたSH小畑がボールを受け、トライをマークする。残り時間は、攻守が入れ替わる展開になるも、スコアは動かずノーサイド。神戸Sが、38-19で勝利を飾った。
ゲームキャプテンを務めたPR山下(裕)は、「50点は取りたかったのですが…」としながらも「まずは勝てて良かった」と安堵の表情を見せた。
続けて、「開幕戦のメンバーに入ることができなかったという現実を受け止めて、その中で、皆、次節に向けてアピールしようと試合に臨みました。前半はボールを雑に扱うプレーが多くてリズムが出ませんでしたが、後半は取るべきところでボールを継続しトライを決めることができました。ディフェンスに関しては、取られた3本のうち1本はインターセプトからのトライと、ディフェンスを崩されて取られたわけではありません。全体的には悪くなかったと思います」と総括した。
自身は、2008-09シーズンに入団以来、初めて開幕戦で試合メンバーから外れた。
「正直悔しさはあります。フィットネスの数値は過去最高ですし、コンディションも万全です。シーズンは長いですし、試合に出られるようアピールし続けます」と気合を込めた。
昨シーズン終了後に足の手術をし、長いリハビリを経てプレシーズンマッチ最終戦となった花園L戦で復帰を果たしたFB井関は
「次節静岡ブルーレヴズ戦のメンバーに絡んでいけるよう、強い気持ちで臨みました。フルバックとして特にキックカウンターからの攻撃をリードすることを意識し、試合ではいくつか良いカウンターアタックもありました。チームは、それぞれの役割が明確になり、とても良い状態です。そんな中で、個人としてはリハビリをしていて焦りもありましたが、ようやくグラウンドに戻ることができました。今日は100パーセント満足のいくパフォーマンスではなかったですが、久しぶりに80分間試合をすることができたことが収穫です。さらにコンディションやパフォーマンスを上げて、リーグワンの試合に出られるようにしていきます」と決意した。
サベアという世界No.1プレーヤーをはじめ、パワフルな外国人選手が多く、競争が激しいバックローで出場を狙うルーキーの福西は、
「アタックに関しては、空いているスペースにボールを運ぶことができて良かったのですが、強みであるディフェンスの面で自分らしさを出すことができませんでした。バックローのライバルは強力な選手ばかりです。特にサベアからは吸収できることはすべて吸収して、自分の成長に繋げて、これからも練習からアピールし続けたいです」と語った。
後半から出場し2トライを挙げ、「良いアピールができた」と笑顔を見せていたSH小畑は「プレシーズンマッチはマツダスカイアクティブズ広島戦の途中出場だけでした。今日は出番をもらって、ここでアピールするしかないと思い試合に臨みました。ディフェンスをオーガナイズするところが課題と指摘されていたのですが、今日はその部分も良かったですし、持ち味であるランも見せることができました」と手応えを感じた様子だった。
それぞれがアピールしようと臨み、前半は少し空回りしたところも見られたが、気持ちの入った一戦になった。長いシーズンを勝ち抜くためには、選手層の厚さが重要になってくる。また、メンバー外選手の突き上げが、チーム力の向上にもつながる。互いに切磋琢磨しながら、神戸Sは、5シーズンぶりの優勝という大きな目標に向かって突き進む。
〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第2節
12/17(日)14:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs 静岡ブルーレヴズ
@ヤマハスタジアム(静岡)
〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第3節
12/24(日)15:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs 東芝ブレイブルーパス東京
@ノエビアスタジアム神戸
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