【試合レポート】 1月6日(土) NTTリーグワン2023-24第4節VS東京サントリーサンゴリアス
トライ数では相手を上回るも、勝負どころでミスが出て手痛い敗戦
新年最初の試合は、東京・秩父宮ラグビー場にて東京サントリーサンゴリアス(東京SG)との対戦だ。今シーズン、ニュージーランド代表のFL/NO8ケイン、WTBコルビが入団し、注目を浴びる東京SG。現在、2勝1敗勝ち点11で3位につける。神戸スティーラーズは、前節の東芝ブレイブルーパス東京戦でボール、エリアともに支配するも、ミスによりチャンスをいかせず、逆にミスからスコアを許し39-46で星を落とした。東京SG戦に向けて、ポジショニングやパスをもらうタイミングなど、1つ1つ再確認し、目指すラグビーの精度を高めて会場へと乗り込んだ。
18,867人の観客が見守る中、東京SGのキックオフで試合開始。2分、自陣ゴール前でのマイボールラインアウトで一度は確保したボールを奪われると、そのまま先制のトライを献上する。ゴールキックも決まり0-7。「入りが悪かった」と試合後、レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)が振り返ったように、序盤は東京SGのペースで進む。さらに、10分、PGで加点され、10点を追いかける展開に。しかし、直後のキックオフのボールを東京SGがキャッチミスし、敵陣22mライン付近でのマイボールスクラムになると、SH中嶋がパスアウトしたボールをラウマペがキャッチし、力強い走りで、ディフェンスを弾き飛ばしながらインゴールへ飛び込みトライをマークする(12分)。ゴールキックも決まり、7-10に。15分、PGを許すも、LOララトゥブアのボールへの絡み、オブストラクションがありトライキャンセルになったもののWTBで先発起用された濱野のスピード感ある走りなど、若手の躍動もあり、神戸Sが盛り返す。28分、ゴール前で得た反則からトライを狙いにいき、FWで前に出て、最後はFLサウマキがグラウンディング。ゴールキックは外れるも、12-13と1点差とする。その3分後、自陣22mライン付近でCTBラウマペがボールを奪うと、そこからボールを繋いで、WTB濱野が再び抜群のスピードを見せて60m走り切り逆転のトライをマーク(31分)。ゴールキックも決まり、19-13。その後も神戸Sが敵陣でゲームを進め、38分にはキックカウンターからFB松永が独特のステップを切りながら相手を振り切りラインブレイクし、LOララトゥブアへと繋いで攻撃を継続。最後はゴール前ラックからSH中嶋が自ら持ち出しトライ。会場は大いに湧くも、ハーフライン付近で味方とぶつかりアクシデンタルオフサイドとなり、2度目のトライキャンセルに。相手に危険なプレーがあり、イエローカードが適用され、PKで再開すると、ゴール前でのマイボールラインアウトのチャンス。39分、モールを押し込んで、HO松岡がトライ。ゴールキックも決まり、26-13に。前半終了直前、反則からピンチを招きトライを許すも、26-20で折り返した。
SOガットランドのキックオフではじまった後半。神戸Sが敵陣深くに入り、攻撃を仕掛ける。しかし、攻め続けるもラストパスが繋がらない。中盤での攻防が続いた後、9分、サインプレーからトライを奪われてしまう。ゴールキックが決まり、26-27と再び追いかける展開に。激しい攻防が続く中で立て続けに反則が出て自陣でのプレーを余儀なくされると、17分、自陣ゴール前での相手ボールラインアウトからFWの連続攻撃を仕掛けられてトライを献上。ゴールキックも決まり、26-34に。WTB濱野やFB松永が思い切りのよいプレーを見せてチャンスを作るも仕留めきれず、23分、相手の「50:20」を狙ったキックをWTB山下(楽)が中に入れると走り込んできた相手WTBコルビが拾い上げ、そのままインゴールへ。ゴールも決まり、さらにリードを広げられてしまう(26-41)。選手を後押ししようとKOBEコールが起きる中で、敵陣10mライン付近右中間での神戸Sボールスクラム。押し込んで反則を得ると、28分、22mライン付近でのマイボールラインアウトからNO8サベア、CTBリトルと繋ぐと、ゴール前のラックからすぐさまSH日和佐がパスアウトし、LOレタリックがインゴールへ。31-41と10点差とする。逆転を目指すも、34分にPGで追加得点を許し、13点差に。終了間際にパスを繋いで、山下(楽)から代わったWTB林がトライをマークするも、36-44でノーサイドとなり、2連敗を喫した。
レニーHCは「前半は途中から盛り返して、自分たちのラグビーができましたが、後半敵陣深くに入ったところでスコアできず、反対に相手に簡単にトライを許してしまった。日和佐やリトルといった途中からグラウンドに入った選手のインパクトあるプレーもあり、再び追い上げることができましたが、2試合続けての敗戦になってしまいました。攻守での精度と状況判断の面を修正していかなければいけない」とコメントした。
共同キャプテンの山下(楽)は、コルビのトライにつながるキック処理について
「あのキックをタッチに出すことは自分たちのピンチになるという意識で中に入れたのですが、結果的に判断ミスになってしまいました」と反省した。
BL東京戦後、チームとして1つ1つのプレーを再確認するも、今節でも“精度”という面で課題が出た試合になってしまった。
レニーHCは「我々は見ている人たちがワクワクするようなエキサイティングなラグビーを目指しています。速いテンポでボールを展開するというラグビーは、リスクを伴います。ミスがあれば、相手にボールを渡すことになる。その上で我々は目指すラグビーを変えるつもりはありません。精度を上げることに取り組んでいきます」と言い切った。
苦しい試合になるも、前日にメンバー変更となりWTBに入った濱野やFB松永が躍動したことは、明るい材料である。
濱野は「いつでも先発で出られるように準備はしていました。昨シーズンまではCTBでプレーしていましたが、今シーズンは練習からWTBに入ることも多くて。今日は、強みであるスピードの部分でチームに貢献しようと思っていました。前節も後半から出場し、ラインブレイクする場面がありましたが、今節はトライもできて良かったです」とWTBとしても手応えを感じた様子だった。
あのトライがキャンセルになっていなかったら、あのゴールキックが入っていたら、あのミスがなければ…。「たられば」を言っても仕方がない。この手痛い敗戦からの学びを次に繋げなければいけない。選手、コーチ陣の思いは共通している。
これからもクボタスピアーズ船橋・東京ベイ、横浜キヤノンイーグルスと昨シーズンのトップ4に入った強豪との戦いが続く。今シーズンの神戸スティーラーズは違う。再度Steel Matesに証明できるよう、細部を追求して次節に臨む。
〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第5節
1月14日(日)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズ vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
@ノエビアスタジアム神戸
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