【試合レポート】 1月14日(日) NTTリーグワン2023-24第5節VSクボタスピアーズ船橋・東京ベイ
昨季王者と白熱のシーソーゲームを演じるも、ノーサイド直前にスコアを許し惜敗
1月14日(日) NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第5節VSクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S東京ベイ)が行われた。舞台は今シーズン最後となるノエビアスタジアム神戸だ。
1月17日は、阪神淡路大震災から29年目となる。震災を経験しているチームとして試合前に能登半島地震で被災された方々へメッセージ動画を流し、勝利を届けようと戦いに臨んだ。
昨シーズンのリーグワンチャンピオン、S東京ベイのキックオフではじまった試合は、プレッシャーからターンオーバーを許し、いきなりピンチを迎える。3分、ゴール前ラインアウトからモールを押し込まれて先制のトライを献上。ゴールキックも決まり、0-7に。14分にはPGで加点され、0-10とリードを広げられる。嫌な空気を払拭したのが、絶好調のFB松永。ラインブレイクして敵陣深くに入ると、相手に反則が出て、ゴール前ラインアウトのチャンスに。モールをゆっくりと押し込みトライラインに迫ると、サベアが抜け出しインゴールへ(16分)。ゴールキックも決まり、7-10とする。神戸コールの後押しを受け、反撃を開始したいところだったが、21分、S東京ベイにゴール前ラインアウトからモールを押し込まれてしまう。ここはモールでオブストラクションがあり、トライキャンセルになって追加点を免れるも、ピリッとしない展開が続く。27分には、ハイパントキックを処理することができずに、相手にトライを許してしまう。ゴールキックも決まり、7-17と再び10点差に。その後、2本続けてスクラムでプレッシャーをかけて反則を得て、敵陣へと入るも、チャンスをいかすことができず、7-17で折り返した。
勝負の後半、神戸Sが逆襲に出る。キックの応酬の後、ハーフライン付近で反則を得ると、5分、22mライン付近でのマイボールラインアウトから粘り強く連続攻撃を仕掛けて、最後はWTB濱野がトライ(12-17)。その3分後には、相手がタッチに出したキックをクイックスローし、パスを受けたFB松永が40m走り切りトライをマークする。ガットランドのゴールキックも決まり、19-17。しかし、逆転したのも束の間、相手キックオフから攻撃を継続する中で反則が出て、PGで加点を許し19-20(11分)と再びリードを許す。ここから取って取られてのまさにシーソーゲームの様相に。13分、今度は神戸SがPGを決め、22-20。15分には、S東京ベイがPGで加点し、22-23に。20分には、相手キックが「50:22」となり、ゴール前でのS東京ベイボールのラインアウトから連続攻撃を仕掛けられ、トライを献上。ゴールキックも決まり、22-30と8点差がつく。神戸Sはフロントロー総入れ替え、さらにベテランSH日和佐を投入しテンポアップ&エナジーアップを図る。だが、24分、相手に絡まれて自陣で反則を犯し、PGを決められて22-33に。11点差を追いかける展開となる中で、敵陣で反則を得ると、トライを狙いにいく。ゴール前ラインアウトからフェイズを重ねて攻撃し、最後はNO8コストリーがインゴールへ(28分)。CTB李のゴールキックも決まり、29-33とする。そして、34分。S東京ベイはドロップゴールでリードを広げようとするも、ゴールポストを外れ、ドロップアウトに。すると自陣から神戸Sが速攻を仕掛ける。FLサベアがゲインを切ると、テンポよくボールを繋いで、敵陣22m内へ。中央からFB松永が右端に立つWTB山下(楽)へとキックパス。サポートしていたFLサウマキにラストパスが渡るとタックラーを引きずりながら、インゴールへボールをねじ込み、34-33と逆転に成功する(35分)。残り時間はあとわずか。1点差を守り切りたいところだったが、S東京ベイにハーフライン付近から粘り強く攻撃を仕掛けられ、失トライ。結局、これが試合を決めるトライになり、34-38で惜敗という結果に終わった。
試合後、レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)は
「キックオフの後、自陣から脱出するところもよくなかったですし、キックを蹴った後、素早く上がって相手にプレッシャーをかけなくてはいけなかったのですが、それもできていませんでした。また、ディフェンスのセットスピードもよくなかった。特に前半はそれらが顕著に出てしまった」と、前半の戦い方について言及。
後半は良いプレーが随所に見られたこともあり、コストリーは「最初から後半のようなハードワークができていれば勝つチャンスがあったと思うのですが…」と悔しさを滲ませる。
共同キャプテンを務める山下(楽)は
「最後のトライで試合が決まったわけではありません。前節から2試合続けて、前半の入りのところが悪かったですし、今節ではラスト数分の戦い方という課題が出ました。80分間通して相手にプレッシャーをかけることができなかったことが敗因です」とまとめる。
今節は、チームにとって特別な試合だった。
山下(楽)とともに共同キャプテンを務めるレタリックは、
「1月17日を控え、神戸の街を代表するチームとして勝利を得たいという思いが強くありました。それができずに悔しさがありますし、フラストレーションの溜まる結果になってしまいました」と落胆した。
チームはこれで3連敗。コストリーは80分間、グラウンドに立つ一人一人がやるべきことをクオリティ高く遂行することが必要だと語る。
レニーHCは
「勝負どころでミスをして、勝利を手放している状態が続いています。勝つために必要な準備はできているので、あとは丁寧にそれをやり切ること。敗れた相手と再戦するチャンスがありますので、今度はしっかり倒せるようにしていきたい」と述べた。
次節の横浜キヤノンイーグルス戦まで2週間。神戸スティーラーズは、2試合のトレーニングマッチ(1月15日花園ライナーズ戦、1月19日静岡ブルーレヴズ戦)で詳細を再確認し、チームの立て直しを図る。
〜NEXT GAME〜
トレーニングマッチ
1月19日(金)13:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS 静岡ブルーレブズ
@灘浜グラウンド
※無料公開
〜NEXT GAME(NTT LEAGUE ONE)〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第6節
1月27日(土)14:10 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS 横浜キヤノンイーグルス
@ニッパツミツ沢球技場(神奈川)