【試合レポート】 1月27日(土) NTTリーグワン2023-24第6節VS横浜キヤノンイーグルス
接戦をものにして連敗を阻止し、今シーズン3勝目をマーク!
前節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦でシーソーゲームの末に敗れたコベルコ神戸スティーラーズは、その後2試合のトレーニングマッチを行い、課題修正に務めた。今節は、そのトレーニングマッチで好プレーを見せた4選手(LO小瀧、SH徳田、CTBリトル、WTB林)が先発入り、さらに3試合ぶりにFB山中が戦列に復帰を果たした。
第6節の対戦相手である横浜キヤノンイーグルス(横浜E)は、南アフリカ代表でワールドカップ連覇に貢献したSHデクラーク、CTBクリエルをはじめとする主力を怪我で欠くも、現在、4連勝中と勢いがあり、SO田村の卓越したゲームメイクに、セットプレーも強く、今節もタフな一戦が予想される。事実、試合は戦前の予想通り激闘となった。
1万人を超える観客で満員になった敵地・ニッパツ三ツ沢球技場で行われた試合は、SOガットランドのキックオフで開始された。前半は横浜Eにボールポゼッション、テリトリーともに支配され、苦しい展開が続く。前半16分には、PR中島が故意の反則によりシンビンが言い渡されると、1人少ない状況で自陣ゴール前にて横浜Eボールにスクラムを押し込まれて左中間にトライを許すと、ゴールキックも決まり0-7に(17分)。その後も神戸Sは自陣での戦いを余儀なくされる。しかし相手にゴールライン際まで迫られるも、必死のディフェンスでスコアを許さない。我慢の時間が続く中で、前半終了間際DGを決められ、0-10で試合を折り返した。
前半のボールポゼッションは25%。何かを変えないといけない。そこでLOララトゥブア、SH日和佐を投入し、後半へ。その起用は的中し、神戸Sが息を吹き返す。CTBリトルがボールに絡んで反則を奪うと横浜E陣22mライン付近でのラインアウト。そこからモールをぐいぐい押し込んでゴール前まで迫る。ここは横浜Eのディフェンスに阻まれスコアできずに終わるも、9分、キックカウンターから攻撃を継続し、最後はSH日和佐からパスを受けたSOガットランドが相手をハンドオフでかわしながらそのままゴールラインを駆け抜ける。ゴールキックも決まり、7-10に。14分、横浜EにPGでスコアを許し、7-13とされるも、勢いに乗る神戸Sは、ハーフライン付近でのクイックスローから連続攻撃を仕掛けて、SOガットランドが2本続けてトライをマークする。ゴールキックを決めて、14-13とついに逆転に成功。しかし、ここから流れが横浜Eへ。22分、自陣ゴール前での反則から速攻を仕掛けられてトライを献上すると、24分、10mライン付近ラインアウトから攻撃を継続され、最後は一瞬の隙をつかれて失トライ。ゴールキックも決まり、14-27と再び追いかける展開に。だが、「どんな形でもいいので絶対に勝って負のサイクルが抜け出そう」と気持ちを1つにしていた神戸Sは諦めない。30分、ゴール前ラインアウトのチャンスを得ると、モールを押し込んで前進し最後はSH日和佐が右隅へとグラウンディング。難しい角度のゴールキックをSOガットランドが成功させて21-27と6点差に迫る。さらに、キックカウンターから攻撃を継続し、WTB松永のラインブレイクなどがあり、敵陣深くに入ると、相手に反則がありゴール前ラインアウトのチャンスに。モールを押し込んで、松岡から代わったHO北出がインゴールへ。プレッシャーを物ともせず、ガットランドが落ち着いてゴールキックを決めて28-27と再び逆転に成功した(36分)。残り時間はあとわずか。前節S東京ベイ戦では、ここでトライを許し、悔しい敗戦となったが、今日の神戸Sは違う。FB山中の距離が出るキックでエリアを挽回し、相手の攻撃にも粘りのディフェンスで耐えて、横浜E陣10mライン付近でNO8サベアの強烈タックルから反則を得ると、38分、PGを選択。3点を追加し、31-27に。その直後、横浜Eのリスタートのキックオフが10mラインを越えずに神戸Sボールのセンタースクラムになる。相手はスクラムに自信を持っている。「反則を取られると、相手のチャンスになります。最後の最後まで気が抜けませんでした」とFLサウマキ。そこで「いいスクラムが組めた」と後半22分から出場のPR山下(裕)が振り返ったように、スクラムをぐいっと押し込んで反則を獲得。最後はSOガットランドがPKをタッチに蹴り出してノーサイド。神戸Sが27-31で勝利を収め、連敗をストップした。
共同キャプテンのレタリックは「久しぶりの勝利は嬉しいですね」と笑顔を見せた後、「前半は簡単に相手にボールを渡してしまい、横浜Eに長いフェイズのアタックをされてしまって、また、セットプレーも機能せずに苦境に立たされました。後半はボールを保持してテンポの速い攻撃をし、チャンスを作ることができ、ブリン(ガットランド)が2トライを取って盛り返すことができました」と総括した。
2本のトライと1本のPG、4本のゴールキックを決めプレイヤーオブザマッチに選ばれたガットランドは、自らのトライについて
「キックとパスでゲームを組み立てるタイプだと思われていると感じていたので、相手の意表を突いてスペースに仕掛けました」と振り返る。さらに100%の成功率だったキックについて「ここ最近、タッチライン際のキックを外していました。キックには自信があったので、今日は自分の役割をしっかり遂行できてほっとしています」とも。
レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)がロッカールームで試合後「完璧なパフォーマンスではなかったが、チームには『勝ち切る』ことが必要だったので、仲間を信じてハードワークし2トライ取って盛り返して勝利できたことは良かった」と選手たちに語った通り、まだまだ課題は多い。ラインアウトを奪われる場面が多く、スクラムも安定感が欠けていた。松岡は
「ラインアウトは相手に分析されていて、それがハマってしまったという感じです。僕もスローイングの際にネガティブになってしまったところがあったので、周りの選手とコミュニケーションを取って、もっと早くに修正することができていたらよかったのですが…」と反省する。また、規律の面でもペナルティが「13」と多く出てしまった。しかし、何より勝てたことが収穫だ。
ガットランドは「この勝利をチームに勢いをもたらすきっかけとしたいですね」と力を込める。ようやく連敗を脱出した神戸S。次節は、クロスボーダーラグビー開催のため約1ヶ月後となるが、今節の勝利をこれからの戦いにつなげたい。
〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第7節
2月25日(日)13:00 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVSリコーブラックラムズ東京
@駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第8節
3月3日(日)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS トヨタヴェルブリッツ
@東大阪市花園ラグビー場
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