close-up KOBE -Long interview-

ロングインタビュー

2023-24シーズン新加入選手インタビュー Part.6 ワイサケ・ララトゥブア選手

 取材日:2023年10月10日

2023-24シーズン新加入選手インタビュー Part.6 ワイサケ・ララトゥブア選手

ニックネームは「ワイス」。19歳の時にU20フィジー代表に選ばれ、2018年にルーマニアで開催された「ワールドラグビー U20トロフィー」優勝に貢献しました。20歳で日本行きを決め、東海大学では、2年からレギュラーとして活躍。ロックとして空中戦やモールの核として存在感を発揮するのはもちろん、193cm・118kgのフィジカルをいかしたボールキャリーでチームを勢い付けます。「神戸スティーラーズで多くのことを学んで成長したい」という彼に、今後の目標を聞きました。

「レタリック選手と一緒にプレーできることも楽しみです。
神戸Sで成長して、ワールドカップ出場を目指します!」

LO

ワイサケ・ララトゥブア

WAISAKE RARATUBUA

PROFILE
  • 1998年3月17日生まれ(25歳)、フィジー・スバ出身
  • スバメソジスト小学校→ラトゥ・サーララ・メモリアルスクール→東海大学
  • ポジション/LO
  • 身長・体重/193cm・118kg
  • 代表歴/U20フィジー代表

神戸スティーラーズですべてを成長させたい

まずニックネームを教えてください。

「『ワイス』です。ワイスと呼んでください」

まだ入団して日が経っていないですが、神戸スティーラーズの練習はどうですか。

「スキルやフィジカル、フィットネスなど、どれもハードですが、やりがいを感じています。それに、これまでアタックにしろ、ディフェンスにしろ、フィジカルで相手を上回ることを第一に考えてプレーしてきましたが、神戸スティーラーズに入って、それだけでは足りないことがわかりました。『神戸ラグビー』をするために、一人一人がそれぞれの役割を果たさないといけません。その上で、ロックとしての自分の役割は何なのかを学んでいるところです。得るものが多くて、毎日が楽しいです」

その「神戸ラグビー」ですが、どんな印象を持ちましたか。

「ボールが素早く動いて、やっていて楽しいラグビーです。ただ、『神戸ラグビー』をするためには、もっとフィットネスを向上しないといけないと感じています。グラウンドを走り回ってボールをもらう回数を増やして、持ち味であるボールキャリーでコーチ陣にアピールしたいと思います」

武器はボールキャリーだと。

「はい!ただ、現状には満足はしていません。これからさらにフィジカルを鍛えて、さらに強いキャリーができるようにします」

課題はフィットネス?

「フィットネスが一番ですが、試合に出られるようになるためには、すべてを成長させないといけないと思っています」

ワールドカップ終了後には、ニュージーランド代表のブロディ・レタリック選手が加わり、ポジションを争うことになりますね。

「レタリック選手はライバルではありますが、彼と一緒にプレーできることは僕のキャリアにおいて貴重な経験になります。世界トップレベルのロックで、ラインアウトのスキルはもちろん、運動量も豊富でハードワーカーです。あらゆる面で良いお手本になってくれると思いますので、彼からいろんなことを吸収したいと思います」

レタリック選手と一緒に「4番」と「5番」で試合に出ることが目標になるのでしょうか。

「もちろんです。1試合でも多く試合に出たいですね」

大怪我を乗り越えて、レギュラーを獲得

ところで、ワイスは、20歳で東海大学に入学しました。日本でプレーすることに決めた理由を教えてください。

「高校卒業後、スーパーラグビーのチームでプレーすることを目標にフィジーのクラブチームでプレーしていたのですが、ある日コーチから連絡があり、日本の東海大学でプレーする選択肢があると言われました。驚きましたが、フィジーから海外に渡りプレーする選手は多いですし、日本のリーグで活躍している選手もいます。私の周りにも日本でプレーすることを希望している選手がたくさんいましたから。コーチから日本に行くことは私の将来にとってプラスになると勧められたこともありましたし、迷うことなく、来日を決めました」

来日する前に、日本のラグビー界について調べたり聞いたりしたのでしょうか。

「フィジーから日本へ渡った選手とコンタクトを取って話を聞き、どういうラグビーをするのか、レベルの高さなどを少し教えてもらいました。また、高校生の時『ラグビーワールドカップ2015イングランド大会』で日本代表が南アフリカを倒した試合を見て、びっくりしたことをよく覚えていて。その時にこれから日本はどんどん強くなるんだろうなと思いました」

東海大学に入り、感じたことは?

「練習が厳しくて驚きました。朝練などやったことがなかったですし(笑)。ただ、ラグビーの基本をしっかり学べて、ここで4年間頑張れば成長できると思いました」

2年からポジションを獲得しました。

「実は大学に入ってすぐに行われたセブンズの試合でタックルを受けて前十字靭帯を断裂してしまったんです。2週間ほど入院することになり、その時は寂しさと悔しさで、フィジーに帰りたくなりました。結局、1年の時は、関東大学リーグ戦は出ることができず、大学選手権で途中出場しました。1年の時はリハビリばかりで大変でしたが、2年からレギュラーになれて嬉しかったです」

東海大学では2年の時の大学選手権ベスト4が最高成績になりました。

「優勝を目指していたので悔しかったです。神戸スティーラーズでは日本一になりたいと思います」

大学時代に成長したところは?

「まず体が大きくなりました。入学した当初は100kgを切っていたのですが、体を大きくするように言われて、ご飯をたくさん食べて、かつ、トレーニングをして、120kg近くまでなりました。ラグビーについては、基本プレーを繰り返し練習して、細かいスキルも身に付きました。優勝という目標は達成できなかったですが、東海大学に進んで良かったと思います」

エツベス選手のようなアグレッシブなロックに

ちなみにラグビーをはじめてからずっとロックなのでしょうか。

「子供の頃はバックスでプレーしていて、センターをすることが多かったんです。けど、どんどん身長が伸びて、16歳の時にロックにコンバートしました。時々、ナンバーエイトやフランカーでプレーすることもありましたね。フォワードはバックスよりもコンタクトが多いので楽しいですし、自分に合っていると思います」

今後はどういう選手になっていきたいですか。

「ロックでは、南アフリカ代表のエベン・エツベス選手が好きなんです。私は彼ほど背が高くありませんが、闘争心を前面に出して激しくファイトするプレースタイルは似ていると思います。アグレッシブで、フィジカルバトルに負けない選手になっていきたいです」

ラグビー選手として最終目標は。

「ラグビーワールドカップに出場することです!神戸スティーラーズで、デイブ・レニーヘッドコーチをはじめ、素晴らしいコーチ陣からたくさんのことを学び、練習をしっかり積んで、成長したいと思います!」

では最後にSteel Matesの皆様にメッセージをお願いします。

「神戸スティーラーズに入団したワイサケ・ララトゥブアです。ニックネームは『ワイス』です。チームは優勝という目標を掲げています。目標を達成できるよう、100パーセントの力を出し切り、チームに貢献したいと思います。スタジアムで皆様の応援よろしくお願いします!」

大きな体に似合わず、穏やかな口調と時折見せる優しい笑顔が印象的なワイス。ラグビーは、9歳の時にはじめたそう。ただ、ラグビーで怪我をした経験がある父は、彼がプレーすることに反対だったとか。「一度ラグビーをする機会があり、やってみたらとても楽しくて、父が仕事で海外出張している間に、自分で入部届にサインして提出しました。父には後で怒られましたね」と茶目っ気たっぷりに教えてくれました。真面目な中にもユーモアをまじえてインタビューに答えてくれたワイス。今後の成長と活躍に目が離せません!

loading