取材日:2023年10月20日
2023-24シーズン新加入選手インタビュー Part.7 タリ・イオアサ選手
この秋に単位を取得し高校を卒業したばかりだという若きミッドフィールダーがチームに加わりました。父は、2008-09シーズンから2013-14シーズンまで、福岡サニックスブルース(当時)でプレーしたタファイ・イオアサ。父と一緒に来日し、福岡に住んでいた経験から、タリ選手は日本に親しみを抱いていたそうです。父がプレーした日本で成長し活躍を誓うタリ選手は、新しいチャレンジに胸躍らせています。
「世界一のセンターになることと ラグビーワールドカップ出場が目標です」
CTB
タリ・イオアサ
TALI IOASA
PROFILE
- 2005年1月25日生まれ(18歳)、ニュージーランド・ヘイスティングス出身
- ヘイスティングスボーイズ高校
- ポジション/CTB
- 身長・体重/192cm・101kg
- 代表歴/U18ニュージーランド7人制代表
ラグビーをはじめたのは、福岡のラグビースクール
身長192cm。大きいですね!
「子供の頃は平均身長か、平均よりも少し大きいくらいだったのですが、高校に入ってからぐんぐん身長が伸びました。高校まではスクラムハーフやウイングでプレーしていて、背が高くなってからはロックやバックローに転向しないかという話もあったんです。結局、チームにバックスの人数が少なかったこともあり、センターでプレーすることになりました」
父であるタファイ・イオアサ氏も現役時代センターでプレーしていましたね。
「父はバックローでプレーしていて、途中からセンターにポジションチェンジしました。父は、上背はないのですが、ガッシリとした体格で、パワフルなプレーを持ち味としていました。今は地元のワンガヌイ・コレジエイトスクールでヘッドコーチをしています。高校時代、僕はずっと父から指導を受けていました」
ラグビーをはじめたのは、いつからなのですか。
「4歳の時にはじめました。当時は福岡に住んでいて、サニックスブルースの関係者の方がラグビースクールに連れていってくれました。どこのスクールだったのかは忘れてしまいましたが、楽しかったことを覚えています」
兄弟はいるのでしょうか。また、ラグビーをしているのでしょうか。
「双子の兄と弟が2人います。兄は大学生で、2人の弟は中学生と高校生です。4人ともラグビーをしていて、双子の兄はフッカーで、弟は2人ともスタンドオフでプレーしています」
まさにラグビー一家ですね。
「父の影響もあり、気がつけば全員がラグビーをはじめていました。兄はヨーロッパでプレーすることが目標なのですが、弟たちは日本でプレーしたいと言っています」
日本ラグビーに大きな可能性を感じた
タリ選手が高校卒業後、日本でプレーしようと思ったのはどういう理由からなのでしょうか。
「子供の頃、日本に住んでいたことが大きいですね。ニュージーランドに戻ってからも日本ラグビーに注目をしていて、代表のテストマッチだけでなく、トップリーグ(当時)の試合も見ていました。日本代表に関していうと、『ラグビーワールドカップ2015イングランド大会』で南アフリカに勝利した時は、ただただ驚きました。しかも、逆転のトライを決めたのは、父と一緒にサニックスブルースでプレーしていたカーン・ヘスケス選手です。あの試合は本当に衝撃的でした。2019年の日本大会でも、日本代表はアイルランドやスコットランドを倒して、決勝トーナメントに進出して。日本ラグビーの進化を見てきて大きな可能性を感じたことと、ニュージーランドにいる友達たちとは違うチャレンジがしたいと思い、リーグワンのチームでプロ選手としてプレーすることに決めました」
神戸スティーラーズに入団するにあたり、お父さんの反応は。
「父はとても喜んでくれました。神戸スティーラーズは良いチームだし、神戸という街も素晴らしいと教えてくれて。これからの生活が楽しみです」
神戸スティーラーズで成長させていきたいところはどこですか。
「すべてです!フィジカル、フィットネスもまだまだリーグワンで戦えるレベルではないですし、スキル、スピードなども上げていかないといけないと思います」
将来的にどんな選手になっていきたいですか。
「オールブラックスのジョーディー・バレット選手が個人的に好きで、彼のような世界一のセンターになりたいと思います。そのためにもすべてを成長させないといけないです」
神戸スティーラーズのセンターには、ニュージーランド代表でも活躍したナニ・ラウマペ選手がいます。
「ラウマペ選手は世界トップクラスの選手ですし、彼と一緒のチームでプレーできることも楽しみです。彼から多くのことを学び、センターコンビを組んで試合に出たいと思います」
リーグワンで戦える土台づくりからはじめる
試合に出たら、ファンの方々にどんなプレーを見てもらいたいですか。
「オフロードパスが得意なので、オフロードを繋いで、チャンスメイクするところに注目してほしいですね」
ラグビー選手として最大の目標は。
「いつかワールドカップに出場したいと思っています!」
それは日本代表として、それともニュージーランド代表としてですか。
「難しい質問ですね。正直なところ、遠い将来のことはまだ考えられなくて。まずは神戸スティーラーズで成長して、ポジションを勝ち取らないといけない。ただ、もし両方のチャンスが同時に訪れたとしたら、迷わず日本代表を選びます。代表で活躍して、成長のチャンスを与えてくれた日本に恩返しをしたいと思います」
今シーズンの抱負とは。
「新しい環境に慣れて、フィットネス、フィジカルといった土台を作り上げていきたい。その上で、コーチ陣から必要とされた時には、いつでも試合に出られるようしっかりと準備を整えておきます。リーグワンチャンピオンというチームの目標にグラウンド内外で貢献できるよう頑張ります!」
では最後にSteel Matesの皆様にメッセージをお願いします。
「ニックネームは『タリ』です。皆様が応援したいと思うような選手に成長していきたいと思います。応援よろしくお願いします!」
2022年にU18ニュージーランド7人制代表として「ワールドスクールセブンズ」に出場するなど、才能あふれる18歳は、母国のチームでプレーする選択肢もあったそうですが、日本を選びました。ちなみに、好きな日本食は焼肉で、「毎日でも食べたいくらいですね」とニッコリ。伸びしろしかない、チーム最年少バックスの“これから”にぜひご注目ください。