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ロングインタビュー

2023-24シーズン新加入選手インタビュー Part.10 アーディ・サベア選手

 取材日:2023年12月1日

2023-24シーズン新加入選手インタビュー Part.10 アーディ・サベア選手

ラグビーワールドカップ2023フランス大会でも大活躍し、ワールドラグビーの年間最優秀選手賞を受賞したアーディ・サベア選手が、11月28日チームに合流しました。神戸スティーラーズの選手も憧れの選手や好きな選手として名前を挙げるサベア選手。初めて練習に参加した際には、選手たちが目を輝かせながら食い入るように彼のプレーを見つめていました。破壊力抜群のボールキャリーで勢いを生み出し、激しいタックルでチームのピンチを救う世界No.1のバックロー。12月1日に行われた記者会見では「チームに貢献できるよう頑張ります!」と日本語で挨拶し、日本が大好きというサベア選手の新加入インタビューをお届けします。

持っている力を100パーセント出し切り、
チームをリーグワン優勝へと導きたい

NO.8

アーディ・サベア

ARDIE SAVEA

PROFILE
  • 1993年10月14日生まれ(30歳)、ニュージーランド・ウェリントン出身
  • 出身校/ランゴタイカレッジ
  • 過去の所属チーム/ウェリントン、ハリケーンズ、バーバリアンズFC、ノースアイランド
  • ポジション/NO.8
  • 身長・体重/190cm・99kg
  • 代表歴/ニュージーランド代表(81キャップ)

RWC2023フランス大会で印象に残っている試合はアイルランド戦

まずはワールドラグビー年間最優秀選手賞の受賞、おめでとうございます。2019年にもノミネートされたことがある同賞を受賞した時の気持ちを改めて教えてください。

「栄誉ある賞をいただくことができて、嬉しかったです。ただ、受賞できたのは、私個人の力ではありません。家族や友人、チームメイト、そして、オールブラックスのコーチ陣のおかげで今の自分があります。これまでの人生にかかわってくれたすべての人たちに感謝の気持ちでいっぱいになりました」

ラグビーワールドカップ2023フランス大会は、決勝で南アフリカに敗れ、準優勝という結果に終わりました。

「決勝戦のことを振り返ると、悔しさが込み上げてきます。大会直後は失意に暮れていましたが、ニュージーランドで家族とゆっくり時間を過ごし、前向きな気持ちを取り戻しました」

大会で印象に残っている試合を教えてください。

「準々決勝のアイルランド戦ですね」

最終盤にアイルランド代表から37フェイズに及ぶ猛攻を受けましたが、粘りのディフェンスで食い止め、28-24で勝利した試合ですね。

「スタンドにいる観客、テレビの前のラグビーファンも、私たちが負けると思っていたのではないでしょうか。誰もオールブラックスの力を信じていませんでした。勝利の瞬間、みんなの考えが間違っていたことを証明することができ、誇らしい気持ちになりました」

4年後には、ご自身にとって3度目となるワールドカップに出場し、今度こそウェブ・エリス・カップを掲げたいという思いがあるのではないでしょうか。

「ワールドカップで優勝したいという思いはもちろんあります。ただ正直なところ、4年後のことは現時点では考えられないですね。今は目の前に迫ったリーグワンで神戸スティーラーズの勝利に貢献することだけを考えています」

リーグワンで新たなチャレンジを楽しみたい

リーグワンという言葉が出てきましたが、サベア選手が日本でプレーしようと思った理由を聞かせてください。

「4年前のラグビーワールドカップ2019日本大会の時に、1ヶ月以上日本に滞在し、文化や食に感銘を受けたことが理由の1つです。また、親友であるナニ(ラウマぺ)からリーグワンのことや神戸スティーラーズのことを聞いていました。彼と一緒のチームでプレーしたいと思ったことも大きかったです。神戸スティーラーズでプレーできるチャンスをもらって幸せですし、期待に応えたいと思います」

リーグワンのレベルについてはどう感じていますか。

「世界各国からトップレベルの選手が日本にやって来ています。競争力の高いリーグであり、選手にとっても刺激がある大会だと思います。リーグワンでどれだけ良いパフォーマンスを発揮できるのか、チャレンジすることも楽しみです」

今シーズン、多くのオールブラックスの選手がリーグワンのチームでプレーします。個人的に対戦が楽しみなチームはありますか。

「初めて経験になりますし、すべてのチームに対してリスペクトしていますので、特定のチームというよりも、全チームとの対戦にチャレンジングな気持ちで臨みます」

神戸スティーラーズについて、ラウマペ選手はどのようなチームだと言っていましたか。また実際にチームに合流し感じたことは。

「ナニからは、神戸スティーラーズは長い歴史があって素晴らしいチームだと聞いていました。それに、選手、スタッフもあたたかくて、アットホームな雰囲気だと。チームに合流し、まだ数日ですが、ナニの言う通りだと感じました。これからチームメイトと親交を深めて、彼らと力を合わせて素晴らしいシーズンを送りたいですね」

攻守でアグレッシブにプレーし勝利に貢献する

指揮官であるデイブ・レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(以下、HC)の印象は。

「レンズ(デイブ・レニー)は、チームカルチャーを作るのがとてもうまいコーチです。厳しさの中にも優しさがあり、彼と一緒に仕事ができることも楽しみです」

レニーHCは、サベア選手にグラウンド内外で選手のロールモデル(手本)になることを期待しているそうです。

「これまで多くの経験を積んできていますので、私自身、そうならなくてはいけないと思っています。特に若い選手にとって、フィールドの内外で良きロールモデルになれるようベストを尽くそうと思います」

リーグワンではどのようなプレーを見せてくれますか。また、注目してほしいポイントを教えてください。

「アタック、ディフェンスともにアグレッシブなプレーを見せたいと思います。自由にラグビーを楽しみながらプレーしているところにも注目してほしいですね」

神戸スティーラーズで達成したいことは。

「チーム内の競争に勝って試合に出場し、チームメイトやファンから尊敬されることです。その上で、持っている力を100パーセント出して、チームをリーグワンチャンピオンに導きたい。チームメイトと一緒に優勝カップを掲げることが目標です」

ラグビー以外の面で楽しみなことを教えてください。

「やっぱり食事ですね。ラグビーワールドカップ2019日本大会の時に、ラーメンと寿司の美味さにノックアウトされました。それに、神戸ビーフも食べたいですね。あと、神戸の街を散策したり、大阪や京都にも行ってみたりしたいです。日本はニュージーランドとは文化を含めて多くの面で違いますので、すべてが楽しみです」

では最後にSteel Matesにメッセージをお願いします。

「ファンの皆さんに会えるのが待ちきれません。サインをしたり、一緒に写真を撮ったり、交流できることを楽しみにしています。試合会場に足を運んで、ぜひ神戸スティーラーズに熱い声援を送ってください。皆さんのことが大好きです!」

日本に来ることを楽しみにしていたというサベア選手。ロッカールームが近いという山下 裕史選手から「またね」「あとで」という日本語を教えてもらったそうで、見事に使いこなしていました。ちなみに、グラウンド内では鬼気迫る表情で激しいプレーを見せるサベア選手ですが、素顔についてレタリック選手に聞くと、周りに気遣いができて、謙虚で物静かな性格だそう。世界中のラグビー選手から尊敬され、憧れを抱かれるサベア選手がチームに何をもたらしてくれるのか。パフォーマンスとともに、グラウンド外での影響力にも注目せざるを得ません。

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