【試合レポート】3月3日(日) NTTリーグワン2023-24第8節VSトヨタヴェルブリッツ
やるべきことをやり切って勝利を掴み、4位に浮上
今シーズン初めて東大阪市花園ラグビー場でのホストゲーム。6位のコベルコ神戸スティーラーズが迎え撃つのは、4勝3敗勝ち点19で並ぶ5位のトヨタヴェルブリッツだ。
トヨタVにはSHアーロン・スミス、SOボーデン・バレットというオールブラックスのHB団が加入。神戸スティーラーズのLOレタリック、FLサベア、さらにはCTBラウマペとのオールブラックス対決、トヨタVのNO8ピーターステフ・デュトイとFLサベアのラグビーワールドカップ2023フランス大会決勝で対峙したバックロー同士の対決と、今節は見どころが多い。この注目の一戦に1万4387人が集まった。
プレーオフ進出圏内の4位以内に入るために残りすべての試合に勝つことしか考えていないという神戸Sは、前半12分、相手にイエローカードが出されて1人多い状況でトヨタV陣ゴール前ラインアウトのチャンス。モールを押し込んだ後、ゴール前でのラックからFLサベアがボールを持ち出し先制のトライ。その直後、リスタートのキックをWTB松永がキャッチしディフェンスを突破するとサポートしていたFLサベアへとパスを繋ぎ、最後はゴール前でPR髙尾がボールを受けてインゴールへ。これはWTB松永からFLサベアへのパスにスローフォワードの判定が下りノートライになるも、流れるような攻撃に大きな拍手が湧き上がる。その後もキックをうまく使って敵陣でプレーを続ける神戸Sは、20分、反則を得るとゴール前でのマイボールラインアウト。モールを押し込んだ後、HO松岡がボールを持ち出して攻撃を継続。フェイズを重ねてディフェンスを崩していき、最後はFLサベアがグラウンディング。ゴールキックも決まり、12-0とする。しかしその後、トヨタVが息を吹き返す。26分、30分と連続トライ。12-12の同点となり、ゲームは振り出しに戻る。残り10分、SOガットランドがキックをキャッチしたSOバレットへ強烈なタックルを見舞ったり、FLサベアがディフェンスを突破したり、随所に好プレーが出る。38分、敵陣10mライン中央付近で反則を得るとショットを選択し、ガットランドが決めて、15-12で折り返した。
トヨタVのキックオフでスタートした後半。試合はいきなり動く。
1分、SOバレットがタッチへ出したボールをLOレタリックがクイックスローイン。SOガットランドからFLサベアへとパスが渡ると、サベアがディフェンスを次から次へとかわしていき、あっという間に22mライン内へ。NO8コストリーからのパスをSOガットランドが受けて、そのままゴールラインを駆け抜ける。ゴールキックも決まり、22-12とリードを広げる。8分、トヨタVにPGで加点され22-15になった後、ハンドリングエラーや反則が続き、自陣で戦う時間になるも、ここでLOレタリックとともに共同キャプテンを務めるWTB山下(楽)が好プレーを見せる。12分、自陣22mライン付近でSOバレットのパスをインターセプト。そのまま80mを走り切りトライ。ゴールキックも決まり、29-15とすると、15分、トヨタV陣10mライン付近でWTB山下(楽)が再びSOバレットのオフロードパスをカットするとそこから連続攻撃を仕掛けて、最後はFLサベアがトライをマークする。ゴールキックも決まり、36-15に。27分、トライ&ゴールを許すも、トヨタVの反撃もここまで(36-22)。さらに30分にNO8コストリー、32分にSOガットランドがトライを奪うと、38分トヨタV陣10mライン付近での相手のパスミスを日和佐から代わったSH小畑がセービングし、FLサベアへと繋ぐと、そのままインゴールへと背中から飛び込み、最後にグラウンディングし、この日4本目のトライをマーク。ゴールキックも決まり57-22でノーサイド。神戸Sはボーナスポイントを含む勝ち点5を獲得し、4位に浮上した。
レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)は、「長いフェイズで守り切るなど良いディフェンスができましたし、チャンスでスコアすることもできました。我々の成長を見せることができた一戦になったと思います」と頬を緩め、司令塔を務めたSOガットランドについて「プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたアーディ(・サベア)のパフォーマンスも良かったですが、ブリン(ガットランド)はキックをうまく使い、ゲームをコントロールし、敵陣でプレーする機会を多く作ってくれました。彼のパフォーマンスは非常に素晴らしかった」と高く評価した。
2つのトライと7本のゴールキックを決めたSOガットランドは、
「フォワードが体を張って前進しながら勢いのあるボールを出してくれたので、10番としてゲームコントロールがしやすい状況を作ってもらいました。その中でボールを動かすことができましたし、楽しめた試合になりました」と振り返った。今節を終え、SOガットランドは109ポイントを挙げ、総得点リーグ1位に。
得点王を目指しているかという問いに
「得点王になれるならなりたいですが、優先することはチームの勝利です。チームを勝利に導くことにフォーカスし、その結果、得点王になれたら嬉しいですね」と語っていた。
自身にとって最多という4本のトライを決め、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたFLサベアは「毎試合ベストを尽くすことを意識しているのですが、今日はベストを尽くし過ぎて、途中で肺が潰れるかと思いました」とオールアウトした表情。ラグビーワールドカップ2023フランス大会決勝で対戦した南アフリカ代表のNO8デュトイとの対決については「とても怖かったですね。それにトヨタVには彼だけでなく、世界クラスのフォワードの選手がいますから。ただ、神戸のフォワードも負けてはいません。ブレイクダウンで神戸が競り勝つことができたから、このような結果を得ることができたのだと思います」と述べていた。
第3節東芝ブレイブルーパス東京戦以来の先発出場を果たし、スクラムの安定に貢献したPR髙尾は「ファーストスクラムからプレッシャーをかけていこうとフロントローで話をして、後ろの5人からエナジーをもらえて良いスクラムを組めました」と胸を張る。
後半12分、勝利を大きく引き寄せるインターセプトからのトライを決めたWTB山下(楽)は
「狙っていたわけではありませんが、内側にいる選手がプレッシャーをかけてくれて、なおかつ、僕が隠れるような形にしてくれて、そこでパスを取りにいけました。うまく決まって良かったです」と笑顔を見せた。
この勝利で4位に浮上したが、これからもタフな戦いは続く。
次節は、今節で昨シーズンのリーグワンチャンピオンであるクボタスピアーズ船橋・東京ベイを破った三菱重工相模原ダイナボアーズとの対戦だ。
「相模原DBは東京サントリーサンゴリアスにも34-36と接戦を演じています。強い相手であることは皆、理解しています。相手はトヨタVと同様に体の大きな選手が多いチームです。今節と同じように良い準備をして臨みます」(レニーHC)
神戸スティーラーズは準備したことをきっちりやり切り、次節もSteel Matesに勝利を届ける。
〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第9節
3月10日(日)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS三菱重工相模原ダイナボアーズ
@相模原ギオンスタジアム(神奈川)
〜NEXT HOSTGAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第10節
3月16日(土)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS埼玉パナソニックワイルドナイツ
@神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
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