【試合レポート】3月16日(土) NTTリーグワン2023-24第10節VS埼玉パナソニックワイルドナイツ
全勝の埼玉WKを相手に接戦を演じるも、一歩及ばず敗戦
約2か月ぶりとなる地元・神戸でのホストゲーム。対戦するのは、前節で東芝ブレイブルーパス東京との全勝対決を制し、首位を走る埼玉パナソニックワイルドナイツだ。昨季、リーグワン王者をクボタスピアーズ船橋・東京ベイに譲り、王座奪還に燃える埼玉WKに対して神戸スティーラーズは、2003-2004シーズンから勝ち星がない。ベテランのFB山中は「そろそろ勝って連敗を止めないといけない」と意気込む。また、今節はリザーブに入るHO北出のTL/LOリーグ戦通算50試合出場達成の一戦だ。神戸Sは気合い十分で神戸総合運動公園ユニバー記念競技場に乗り込んだ。
絶対に勝つ。その強い思いが開始早々現れた。3分、埼玉WK陣10mライン付近でのマイボールラインアウトから展開し、CTBリトルがラインブレイクしてチャンスメイク。FWでフェイズを重ねて埼玉WKのディフェンスをこじ開け、最後はFLサウマキがグラウンディング。SOガットランドのゴールキックは失敗に終わるも、5-0と先制し、幸先の良い入りを見せる。互いにエリアを獲得しようとキックの応酬が続いた後、ハーフライン付近で神戸Sボールのラインアウト。ボールを展開したところでオフサイドの反則を取られてしまう。そこで埼玉WKはショットを選択。PGでスコアを許して5-3に(9分)。その後、相手のキックがゴールラインを割って、埼玉WK陣10mライン付近で神戸Sボールのスクラムになると、フェイズを重ねて前進する。そこで相手FWに危険なプレーがあり、シンビンが言い渡される。14分、神戸SがPGで加点し、8-3と再び5点差に。数的優位な状況でスコアしたいところだったが、16分、CTBリトルのタックルが危険なプレーと判定され、イエローカードが出されて両チームともに14人で戦うことになる。拮抗した展開が続く中で、19分に埼玉WKが、22分に神戸SがPGで3点を加えて、11-6。神戸Sはキックを使って敵陣でプレーするも、堅守に阻まれスコアすることができない。33分には埼玉WKにPGで加点され、11-9と差を詰められてしまう。その直後、敵陣22mライン付近での埼玉WKの反則に対して神戸Sはショットではなく、トライを狙いにいく。スタンドのSteel Matesから歓声が湧き上がる中、ゴール前ラインアウトからモールを押し込むも、あと少しのところでグラウンディングができない。逆に前半終了間際、神戸S陣22mライン付近ラインアウトから連続攻撃を許すと最後は大外へと展開されてトライを献上。11-14で折り返した。
埼玉WKのキックオフで開始された後半。先にスコアしたのは神戸S。13分、NO8コストリーがラインブレイクしキックを蹴って敵陣深くに入ると、FLサベアがボールをキャッチした相手を押し出し、埼玉WK陣22mライン付近でのマイボールラインアウトのチャンス。攻撃を継続し、中央付近のラックからSH日和佐、SOガットランドと繋ぎ、ディフェンスを惹きつけたところでパスを受けたCTB李がスペースへと走り込むと、ラストパスを受けたSH日和佐がそのままトライ。ゴールキックも決まり、18-14と逆転に成功する。しかし、リードしたのも束の間、18分、神戸陣22mライン付近でのラインアウトから攻め込まれてトライを献上。ゴールキックも決まり、18-21と再びリードを許した。さらに26分には、相手のキックが「50:22」となり、22mライン付近のラインアウトを起点に攻撃を重ねられて失トライ。ゴールキックも決まり、18-28に。なんとか追いつこうと懸命なプレーを見せるも、反則が続き、自陣でのプレー時間が長くなる。終了間際、スクラムで反則を得て敵陣10mライン付近でのラインアウトから攻め込むも、ボールがこぼれて万事休す。18-28で敗れ、神戸Sの連勝は「4」でストップした。
試合後、レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチは開口一番「接点のバトルで負けてしまった」と敗因について言及。
共同キャプテンのレタリックは
「セットプレーからの動きが埼玉WKの方が速くて、接点で前に出るという状況を作り出すことができませんでした。ディフェンスラインを前に押し上げることができずに、受けに回ってしまって。そこで穴ができて抜かれるという形になってしまいました」と反省した。
また前半はキックを有効に使うことができていたが、後半に入り、それができなかったとも。レニーHCは
「相手からプレッシャーがかかる中で、キックを蹴って相手にボールを渡してしまうことになり、そこで相手はボールを保持して攻撃を展開してきて、ディフェンスの時間が長くなってしまいました。後半、埼玉WKに神戸陣22mライン内に15回ほど入られましたが、神戸は相手陣22mライン内に数回ほどしか入ることができず、エリアの取り合いのところでも敗れてしまった」と埼玉WKとの差について語る。
前半はポゼッション、テリトリーともに相手を上回ることができていただけに、そこでスコアを重ねられなかったことが悔やまれる。前半34分、相手の反則に対しラインアウトからモールを押し込んだが、グラウディングできなかった場面についてHO松岡は
「トライラインを越えられると思ったのですが、少し足りなくて。早めにラックを作って攻撃を展開していればトライになっていたかもしれません。勿体なかったと反省しています」と振り返った。
相手の前進を何度も止めたFB松永は、
「相手はキックをうまく使ってくるので、バックスリーの連携を意識していました。相手を止めた場面は、僕が一番近かったので、いくしかないと。ハードワークは練習から言われているので、止めることができて良かったです。ただ、全体的なディフェンスに関しては相手の方が人数をそろえて、ワイドに守ってきて、そういうところに巧さを感じましたし、アタックも、1つ1つのプレーの精度が高かったです。やはり全勝しているチームだなと感じました」と自身にとって初対戦となった埼玉WKの印象を語った。
埼玉WK戦での勝利は、今節も叶わず、次の対戦に持ち越しとなってしまった。カンファレンスが別である埼玉WKと今シーズンもう一度対戦の機会を得るためには、4位以内に入りプレーオフ進出への切符を勝ち取らなければいけない。リーグ戦は残り6試合。
横浜キヤノンイーグルスが第10節でクボタスピアーズ船橋・東京ベイに敗れたが、7点差以内の敗戦で勝ち点1を上乗せし、現在ともに勝ち点は29。得失点で神戸Sが4位につけている状況だ。
「1試合1試合を大切に戦っていって、プレーオフに辿り着かなければいけない」とSH日和佐は決意する。これからも負けられない戦いは続く。
〜NEXT GAME〜
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第11節
3月24日(日)14:30 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS花園近鉄ライナーズ
@神戸総合運動公園ユニバー記念競技場
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