【試合レポート】 4月27日(土) NTTリーグワン2023-24第15節VS静岡ブルーレヴズ
神戸ラグビーで終始相手を圧倒し、快勝。山下(裕)のリーグ戦最多出場タイ記録を勝利で祝う
前節でクボタスピアーズ船橋・東京ベイに敗れてプレーオフ進出の可能性が消滅したが、リーグ戦は残り2試合ある。しかも、今節は東大阪市花園ラグビー場で開催の今シーズン最後のホストゲーム。加えて、リザーブ入りしたベテランPR山下(裕)が出場すると、久富 雄一氏の持つTL/LOリーグ戦通算最多出場記録177試合に並ぶ。これまでやってきた神戸ラグビーを80分間やり切って勝利しようと1つになり、NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第15節静岡ブルーレヴズ戦に臨んだ。
静岡BRのキックオフではじまった試合はいきなり動く。3分、キックカウンターからボールを大きく動かし、WTB濱野が先制トライ。SOガットランドがゴールキックを決めて、まずは7-0とする。その後も神戸Sがスピード感あふれる攻撃を見せる。20分にはゴール前10m中央付近でのマイボールスクラムからプレッシャーを受けながら、なんとかボールを出すと連続攻撃を仕掛ける。最後はNO8サベアが青い壁をこじ開けてインゴールへ。ゴールキックも決まり、14-0とする。25分には、静岡BR陣22mライン付近でLOレタリックがタックルを決めると、WTB松永がボールを奪い、そこから攻撃を継続して最後はCTBラウマペのキックパスからCTBラファエレが右コーナーにトライ。現在得点ランキング1位のSOガットランドが難しい角度のゴールキックを難なく成功させて、21-0に。さらに、31分、ハーフライン付近のクイックスローから素早く仕掛けて最後はHO松岡からパスを受けたFB李がそのままゴールラインを駆け抜ける。神戸Sが危なげないゲーム運びを見せて、28-0で折り返した。
後半、相手はリザーブメンバーを5人投入し、挽回を図ってくる。5分、自陣22mライン中央付近で反則を犯すと、速攻を仕掛けられてFWに前進を許し、この試合初めてトライを奪われる。しかし、神戸Sは気持ちの入ったプレーで相手の反撃を断ち切る。13分、敵陣22mライン中央付近でのスクラムからサインプレーを決め、WTB松永がトライ。ゴールキックも決まり、35-7に。その直後には、相手のキックオフからボールをキープし、FB李がスペースにキックを転がすと自ら拾い上げてハーフライン付近でWTB濱野へパス。WTB濱野が抜群のスピードで相手を抜き去ると、サポートしていたLOレタリックへとパスを繋ぎ、ゴールラインを駆け抜ける。鮮やかなノーホイッスルトライに会場は大いに湧き立った。42-7としたところで、リーグ戦通算最多出場177試合目となるPR山下(裕)がグラウンドへ。
「前半、スクラムの時に静岡BRからプレッシャーを受けていました。相手が息を吹き返すとしたら、スクラムを含めたFW周りのプレーです。まずはスクラムをしっかり安定させようと、使命感を持ってグラウンドに入りました」(山下(裕))
FW戦でも相手を抑え込み、試合は終盤へ。互いに2本ずつトライを決めて、56-19で迎えたラストワンプレー。ホーンが鳴り響く中で、静岡BR陣10mライン付近での神戸Sボールスクラム。ボールを蹴り出せば、試合終了だ。しかし「最後まで自分たちのやってきた神戸ラグビーをやり切ろう」と判断を下し、ボールを継続。パスをつないで前進すると、最後は途中出場のHO北出が左コーナーへ飛び込む。ゴールキックも決まり、63-19。神戸Sが自慢のアタッキングラグビーを炸裂させ、圧勝した。
試合後、レニーディレクターオブラグビー/ヘッドコーチ(HC)は
「チャンスをたくさん作りましたし、ディフェンスも良く、ターンオーバーからトライを取ることもできました。終始、相手を圧倒でき、9トライをマークし、良い結果を得られた試合になりました」とまとめた。
共同キャプテンのLOレタリックは
「前節で敗れてプレーオフ進出はなくなりましたが、チームの中で誰1人として、残りの試合を諦めてはいませんでした。2試合では、自分たちが取り組んできた神戸ラグビーを信じて、グラウンドでそれを体現しようと話しました。今節、特に意識していたのは、テンポです。クイックスローインやラインアウトから早い展開の攻撃をし、スピードアップできたところは良かったのですが、テンポを意識するあまり、ボールが手につかず、タッチラグビーのような状況になったところもありました。ただ、全体を通して良い形でボールを継続することができ、ポジティブな内容の試合になりました」と述べた。
この試合でリーグ戦最多出場記録に並んだ山下(裕)については、
LOレタリックは
「『3番』でこんなにも多くの試合数に出ているというのは、なかなかできないこと」と称えると、レニーHCは
「彼はリーダーシップグループには入っていないですが、外からチームを支えてくれています。普段からクラブハウスの掃除を率先してするなど、人間性も素晴らしい。社員選手として、チームにいい手本を示してくれています。今節でリーグ戦最多出場タイ記録です。次節で起用すると記録更新になってしまうので、来シーズンに向けてモチベーションを残すためにもメンバーから外してもいいかなと思っていますね」と冗談ぽく笑った。
当の山下(裕)は
「自分の記録よりも、チームが持ち味を発揮して勝てたことが嬉しい!」と喜んだ。
また、今シーズンをもって退団が発表され、ホストゲームでプレーするのが最後になったNO8サベアは、
「神戸ラグビーを体現できた1日になりました。後半交代した時に、たくさんの方があたたかい拍手をしてくれて、なんて幸せなのだろうと思いました。心の優しい方に応援していただいて感謝しかありません」と感慨深げに話していた。
まさに今節は全員が躍動し、今シーズンの神戸ラグビーをSteel Matesの前で披露できた試合になった。
今シーズンも残り1試合。最終戦は、三重ホンダヒート戦だ。
「自分たちのベストを尽くすだけです。次節に向けて良い準備をして、ベストパフォーマンスを発揮したいと思いますね」とNO8サベア。
今節と同じように神戸ラグビーで勝利し、有終の美を飾る。そう誓い、神戸スティーラーズは敵地での今シーズン最終戦に臨む。
〜NEXT GAME〜
【今シーズン最終戦】
NTTジャパンラグビー リーグワン2023-24第16節
5月4日(土)12:10 KICK OFF
コベルコ神戸スティーラーズVS 三重ホンダヒート
@三重交通Gスポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場