取材日:2016年9月17日
ジャパンラグビートップリーグ2016-2017第4節 vs トヨタ自動車ヴェルブリッツ戦のコメント
3戦全勝で現在2位につけるトヨタ自動車ヴェルブリッツとの対戦。「重要な戦いだと認識し、この試合に向けてハードワークしてきた」とマッケイヘッドコーチ。パナソニック戦の敗戦を経て、第3節 vs コカ・コーラレッドスパークス戦ではアグレッシブかつポジティブなラグビーを見せ、完勝したコベルコスティーラーズ。この一戦では、その真価を問われることになる。
相手キックオフではじまった試合は、序盤から互いの意地と意地がぶつかり合う、白熱の攻防が繰り広げられる。キックを巧みに使いながら集中力高く、攻撃を展開するコベルコスティーラーズに対し、相手も簡単にゲインを許さない。8分22m左中間でコベルコスティーラーズが反則をし、相手はPGを選択するが、キックは外れて、0-0。ドロップアウトのキックの後、キックの応酬から12分、SOイーリがカウンターを仕掛け、FW・BK一体となった攻撃で、最後はNo.8バンリーベンがラインブレイクするとサポートしていたSH梁がパスを受け、そのまま左隅へ先制のトライ。FBコディのゴールキックも決まり7-0とする。さらに19分、ハーフウェイライン付近のマイボールラインアウトからBKへと展開するとスピーディにボールを動かし前進、最後は右中間ゴール前ラックから出たボールをCTB山中が力強い走りでディフェンスを切り裂きトライ。ゴールキックも決まり14-0とする。ウォーターブレイクを挟んで、前半の残り20分も見応えのある攻防が続く。フィジカルが強いトヨタFWに対し、コベルコスティーラーズは、スクラムでは苦戦するものの、ラインアウトでは相手にプレッシャーをかけ、相手ボールを奪取、ブレイクダウンでもよくファイトする。またBK陣も奮闘し、イーリ、山中、コディのキックや判断が冴え渡る。前半37分、PGで加点し、17-0で折り返す。
後半も先に得点したのは、コベルコスティーラーズ。11分、トヨタ陣22mライン付近マイボールスクラムでフリーキックを得ると、バンリーベンから替わったNo.8西林が速攻を仕掛けて、安井に繋ぐと、走り込んできたWTB山下(楽)に素早くパスし、山下はインゴールへ。その2分後には神戸陣10mライン付近トヨタボールのラインアウトからこぼれたボールをFL橋本が拾い上げ、自陣22mライン付近まで前進、相手ディフェンスにつかまりながら、サポートしていた安井にパスをつなぎトライ。その後も全員が精度の高いプレーをし、試合を優位に進める。また前半苦しんだスクラムも経験豊富なPR平島の投入もあり、安定感を取り戻した。36分に、ラインアウトを起点にボールを大きく動かされ、トライを許したが、27-7で試合終了。コベルコスティーラーズは、4トライを上げ、前節に続き、相手より3トライ以上多く取り、ボーナスポイントを獲得。これで勝ち点14としトップリーグ3位に順位を上げた。
試合後、マッケイヘッドコーチは「それぞれがやるべきことをやった結果です。スタメンだけでなく、リザーブで出た選手も持っているものをすべて出してくれ、80分間、コンスタントなパフォーマンスを発揮してくれました。今日はアタックも良かったですが、ディフェンスも向上を感じさせてくれました」とコメント。キャプテンの橋本は「フィジカルバトルに対して引くことなく戦うことができました。神戸のアタック、ディフェンスを80分間、やり続けることができたことが勝利につながりました」と話した後、「パナソニック戦の敗戦がチームを変えました。どういうラグビーを目指すのか、みんなで話し合いを重ねたことで、やるべきことが定まった。個々の能力を生かして、ボールを動かし、キックも使って、そしてセットプレーも強いというような、見ているファンの方も僕たちも楽しいポジティブなラグビーができるようになってきました」と手応えを口にした。
トップリーグは1週空いて、第5節が行われる。10月1日(土)万博記念競技場にて開催の vs 豊田自動織機シャトルズ戦でも、アグレッシブでポジティブなラグビーを展開し、コベルコスティーラーズファンを魅了する。
平島久照選手、安井龍太選手、西林宏祐選手、梁正秋選手、山中亮平選手のコメントです。
PR
平島久照選手
「この試合が復帰戦となりました。ベンチから見ていて前半はスクラムが安定していなかったので、スクラムを第一に考えてグラウンドに入りました。自分の仕事ができ、スクラムの流れを変えることができたのは良かったです。チームについては試合を重ねるごとに良くなっていて、やろうとしているラグビーに対して理解度が深まってきています。あとは個人のちょっとしたミスの部分。精度高くプレーし、自分たちのラグビーを成熟させていきたいと思います」
FL
安井龍太選手
「パナソニック戦の後、それぞれのやるべきことを明確にし、自分の仕事を全うしようという話をしました。また原点に立ち返って、ラグビーを楽しもうとなった。それがコーラ戦からできています。今日の試合については、FWはフィジカルが強いトヨタ自動車を相手に、ブレイクダウンで圧力をかけることができましたし、アタックも、キックを織り交ぜながら、いいラグビーができました。練習でやってきたことがそのまま出せた試合になりました。個人的にも、ごっつあんではありますが(笑)トライもしましたし、(山下)楽平に狙い通りのパスが通せて。あのパスはキレイに決まって気持ち良かったです。これからもラグビーを楽しみながら戦っていきたいと思います」
No.8
西林宏祐選手
「開幕戦にリザーブ入りをしましたが、その後、メンバーから外れてしまって。2試合ぶりにチャンスをもらったので、絶対にこれを生かそうと気持ちが入っていました。僕の持ち味はアタックですから、そこで自分らしい前に出るプレーをして、チームに勢いを与えたようと思っていました。今日はボールを持つ回数も多く、少しはチームに貢献できたかなと。課題はディフェンス面なので、そこをレベルアップさせて、スタメン出場できるように頑張ります」
SH
梁正秋選手
「パナソニック戦でクィックにボールをさばくことができず、スローテンポにしてしまい自分たちのラグビーができずに敗れてしまいました。その反省からクィックにボールを出すことをきっちりやろうと心がけています。前節のコーラ戦、今日の試合と、いいリズムでボールを動かせ、やりたいラグビーができました。特に全勝のトヨタ自動車を相手に、それができたことは自分にとって大きな自信になります!
CTB
山中亮平選手 (マンオブザマッチ受賞)
「キックを使って敵陣にうまく入ったり、回すところでは回したりと、臨機応変に戦えました。特に前半はキックを効果的に使うことができ、20分までに2トライを上げ、勢いに乗れた。こういう試合を次節以降でもしていきたいと思います」