取材日:2016年10月8日
ジャパンラグビートップリーグ2016-2017第6節 vs リコーブラックラムズ戦のコメント
現在、4勝1敗勝ち点19で3位につけるコベルコスティーラーズは、12位のリコーブラックラムズと対戦した。相手は2勝3敗で黒星が先行しているものの、開幕5連勝中のサントリーサンゴリアスと17-23で接戦を演じるなど、決して侮ることはできないチーム。事実、第6節は、ノーサイドの瞬間まで勝利の行方が分からない白熱した展開となった。
FBレイのキックオフではじまった試合は、前半8分、CTBバイフが先制のトライをマーク。18分にトライを献上し、7-7の同点となった3分後、相手WTBにイエローカードが出て一時退場。コベルコスティーラーズは数的優位な状況を生かして、23分WTB山下(楽)、25分SHエリス、31分CTBフーリーと電光石火の3連続トライで、26-7とリードを広げる。しかし相手も黙ってはいない。シンビンがとけ15人に戻ると、36分、トライ&ゴールを決められ、26-14に。
12点差で迎えた後半の立ち上がり、反則を立て続けに犯してしまい、3分、7分に、PGで3点ずつ刻まれ、26-20と差を詰められる。嫌な空気を払拭するかのように、9分、FW・BK一体となって連続攻撃を仕掛けて、最後は山下(楽)、エリス、No.8谷口と繋いで、谷口が左隅へとトライ。ゴールキックも決まり、33-20と再び突き放す。その後、13分にリコーが、15分にコベルコスティーラーズがトライを決め、38-25で迎えた後半19分、金井から替わったHO木津に、反則の繰り返しでシンビンが出され、一人少ない状況を余儀なくされる。ここをなんとか乗り切りたいところだったが、21分、10mライン付近スクラムからフェイズを重ねられ、トライを奪われると、さらに26分にも、失トライ。ゴールも決まり、38-39とついにリードを許してしまう。しかしコベルコスティーラーズの面々は落ち着いていた。「逆転されましたが、パニックにはならなかった」と谷口が言えば、「敵陣に入ればトライを獲れると思っていたので、みんなでトライを獲りに行こうと話しをしました」とSOイーリ。その言葉通り、リコー陣22mライン付近ラックでターンオーバーすると、コベルコスティーラーズが攻め続け、そして37分、22mライン付近スクラムからパスを繋ぎ、ゴール前まで迫るとエリスから絶妙なパスがレイへと通り、逆転のトライ!ゴールキックも決まり、45-39に。コベルコスティーラーズがシーソーゲームを制し、5勝目をマークした。
試合後、ジム・マッケイヘッドコーチは「どちらに転ぶか分からない試合となりましたが、選手が『勝ち切る』と強い意志を持って臨んでくれて、勝利することができました。結果についてはハッピーに思います」とまずは安堵の表情。続けて「今日はトライを多く与えてしまいました。ディフェンスのすべてが悪かった訳ではありませんが、修正すべき点はあります。またリスタートのキックオフキャッチを3回ミスし、自陣から出られなかったことも改善しないといけません」と課題を述べた。キャプテンの橋本は「勝つという最低限の仕事はできましたが、反省すべき点が多い試合です」とコメント。苦しい勝利をものにしたコベルコスティーラーズは、これからも1つ1つ勝ち星を重ねていく。
谷口到選手、アンドリュー・エリス選手、イーリニコラス選手のコメントです。
No.8
谷口到選手
(マンオブザマッチ受賞)
「相手SOタマティ・エリソンとWTBティム・ナナイウィリアムズのふたりにやられてしまったという印象です。特にナナイウィリアムズのランは鋭くて、僕もタックルを外されてしまった。チームとしては、フィジカルバトルで負けないように試合に臨み、アタックもディフェエンスも激しさという点では良かったと思います。しかしディフェンスは、全体的に精度が低く、トライを多く許してしまいました。そこは今日の一番の反省点です。ただ木津がシンビンになった時に2トライを奪われ、逆転されましたが、負ける気はしなかった。みんな落ち着いていましたし、自分たちのラグビーをすれば再逆転できると信じていました。集中力高くプレーし、それが勝ち越しのトライに繋がったのだと思います。苦しい試合になりましたが、個人的にはマンオブザマッチもいただき、うれしい勝利になりました」
SH
アンドリュー・エリス選手
「今季初スタメンの試合となりました。この場所に戻ってくることができ、エキサイティングな気持ちでいっぱいです。最後のトライ(後半37分)は、コディ(・レイ)の声が聞こえたので、後ろにパスを放っただけ。逆転された後、必ずチャンスが来るのは分かっていたので、そこでしっかり決めようと話していたので、それができて良かったです。今日の試合の反省点としては、ディフェンスが上げられると思います。相手もいいアタックをしていたので、すべてが悪かった訳ではありませんが、次節に向けての練習では間違いなくディフェンスがフォーカスポイントになる。もちろんディフェンスだけでなく、アタックもさらにレベルアップさせるよう、次節に向けていい準備をしていきます」
SO
イーリニコラス選手
「アンディ(アンドリュー・エリス)がSHに入り、ゲームコントロールしてくれたので、今日はちょっと大人しくプレーしました。もう少し自分を出しても良かったかな。試合については、アタックがどんどん成熟してきているので、自分たちのリズムでボールを動かせばトライを獲れると思っていました。それは、スコアにも表れています。ただディフェンスに関しては、簡単にゲインを許してしまってトライを奪われ、相手を勢いに乗せてしまいました。試合内容としては良くなかったですが、勝って反省できるのはいいことです。しっかり反省して次節に臨みます」